介護士ができるストーマケアについて

ストーマとは消化器系疾患や泌尿器系疾患の手術で病巣を取り除いた後、排泄機能が維持できなくなったケースで、人工的に創設された排泄物を外出しする経路のことです。ストーマには括約筋がないため、自分の意志で排泄することができません。ストーマ装具で排泄を制御して、ストーマ袋にたまった排泄物を定期的にビニール袋に移して廃棄する、ストーマ付近の皮膚の衛生を保つといった維持管理が必要になり、こうした行為をストーマケアと呼びます。

介護士が実行可能なストーマケアについての指針があります。2012年に日本創傷・オストミー・失禁管理学会よりストーマ及びストーマ周辺部の機能が安定しているものについては厚生労働省より医療行為に該当せずとの回答があり、医療職以外の方でも交換可能であるとした見解が出ていることから管理面で大きな問題が出ていないストーマについては介護士によるストーマ装具交換が可能です。合併症があるストーマ保有者についてもストーマ外来への定期的な通院や訪問看護を受けていて、医療職との連携がスムーズに行える場合については介護士によるストーマ装具交換を認めています。諸事情で医療職によるサポートが得られない場合は当該団体が作成したガイドライン「ストーマケアをされるご家族及び介護職の方へ」やメール相談サイトに基づき、家族や介護職によるストーマケアを可能としています。介護施設で働く方は、介護士ができるストーマケアについてしっかり把握しておくことが大切です。