パート勤務と正社員では待遇面で大きな差が見られる。それだけにパート勤務で働いている人の中にはできれば正社員になりたい、と希望もよく聞く。ただ業種によってはそのハードルがかなり高いこともある。その点介護業界は正社員登用制度を導入している施設・事業所も多く、比較的パート勤務から正社員に転身しやすい業種といえるだろう。

実際のところ介護業界における正社員登用制度はどのような状況にあるのか、平成27年度のデータとなるが、公益財団法人介護労働安定センターの調査によると介護業界全体で約50パーセントの施設・事業所においてパート勤務のスタッフに対して正社員登用の機会を設けているという数字が出ている。とくに入所型の施設で66.4パーセントと高い数字となっており、この点からも正社員に登用されるチャンスに恵まれた業種といえるだろう。

また、求人情報の段階で正社員登用制度を導入していることを記載している施設・事業所も多い。人手不足ゆえ「経験を積めばいずれ正社員になれますよ」と求職者にアピールする意図があるのだろう。つまり、正社員になりやすい業界であるだけでなく、正社員のチャンスが得られやすい職場を見つけやすい業界でもあるわけだ。

それゆえパートの求人を探す際には待遇面や勤務環境はもちろん、将来的に正社員に登用されるチャンスがどれだけあるかも意識した上で情報収集を行っていくことが重要になるだろう。パートからの正社員登用なら実際に働きながら職場の環境や雰囲気、自分との相性を確認したうえで正社員になるかどうか決めることができるメリットがあるだけに意識しておきたい部分だろう。
※正社員登用に関する参考資料:介護職で正社員登用を目指そう!